全粒粉って健康に良さそうなイメージですね。
でも、具体的に全粒粉のどんなところが良いのか、どんな栄養が含まれているのかご存じですか。
全粒粉(ぜんりゅうふん)は、小麦を表皮ごと粉にしたもので、小麦の栄養を丸ごと摂ることができる食材のことです。
この記事では全粒粉について、このようなことがわかります。
・全粒粉と小麦粉ではどこが違う?
・全粒粉の何が健康に良いの?
・全粒粉を使った食べものって何があるの?
パン屋でパンを作っていた経験があるので、小麦粉のことはけっこう詳しいです
全粒粉とは
全粒粉は小麦の粒を丸ごと挽いて製粉したものです。
小麦の外皮や胚芽も含まれていて、小麦の栄養を丸ごと摂取することができます。
一般的な小麦粉と全粒粉とのちがいは、お米でいうところの精白米と玄米に例えるとわかりやすいと思います!
白米や一般的な小麦粉は、精白されており外皮や胚芽を取り除くため、これらに含まれる食物繊維やポリフェノール、ミネラルなどの栄養成分が削り取られ、失われてしまいます。
一般的な小麦粉に比べると、全粒粉の色は茶褐色で、香ばしい風味とざっくりと歯ごたえのある食感が特徴です。
【生活習慣病予防・ダイエット効果も】全粒粉が体に良いと言われる理由
全粒粉は、このような理由から健康に良いと言われています。
- 食物繊維が多い
- GI値が低い
- ビタミンやミネラルが豊富、さまざまな病気のリスクを低下させる
1.食物繊維が多く、腸内環境を整える
全粒粉は、一般的な白い小麦粉よりも食物繊維が豊富です。
全粒粉に含まれるおもな食物繊維の不溶性食物繊維には、整腸作用があることがわかっていますので、毎日食べ続けることで、腸内環境の改善につながります。
全粒粉や玄米などの穀類、野菜、豆、キノコ、果実、海藻、エビやカニの殻などに含まれています。
腸を刺激して便通を促進します。
2.全粒粉は低GI値食品
全粒粉や玄米に代表される全粒穀物には食物繊維が豊富に含まれているので、GI値が低く食後に血糖値が急激に上がることを防ぎます。
GI値が低いのでダイエット中の人にもおすすめです
GI値(グリセミック指数)とは、炭水化物が分解され、糖に変わるまでのスピードをあらわした数値のことです。
GI値が高い食品は血糖値を急に上げ、GI値が低い食品は、血糖値を緩やかに上昇させます。
3.ビタミンやミネラルが豊富、さまざまな病気のリスクを低下させる
一般的な白い小麦粉は、小麦の「胚乳」部分だけを挽いたもの。おもに糖質でできています。
一方、全粒粉は糖質以外のタンパク質やミネラル・ビタミンなど身体に必要な栄養素が多く含まれています。
全粒粉は身体へのメリットがさまざまな研究でわかっており、世界保健機関でも全粒穀物は肥満や糖尿病、心臓病のリスクを低下させると発表しています。
アメリカでは全粒穀物は「癌や心臓病のリスクを減らす」と法的に表示することができるんですって
全粒穀物とは、精白していない穀物のことをいいます。
玄米・全粒粉のほかに、大麦・きび・あわ・ひえ・ライ麦・えん麦などがあります。
【普通の小麦粉と全粒粉はどう違う?】全粒粉の栄養の特徴
全粒粉と普通の小麦粉とでは、栄養素に大きな違いがあります。
カロリー | 糖 質 | 食物繊維 | |
全 粒 粉 | 328㎉ | 57g | 11.2g |
小 麦 粉 | 367㎉ | 73g | 2.7g |
全粒粉の方が低カロリーで、食物繊維は小麦粉の4倍以上もあるんですね
栄養を全粒粉パンと白パン(普通の小麦粉のパン)で比較
炭水化物の中でも「パンは太りやすい」と思われがちですが、全粒粉パンは健康に良いと言われます。
栄養の特徴 | |
全粒粉パン | ・食物繊維、ミネラルが豊富。白パンに比べカロリー・糖質が控えめ、食物繊維は約4倍。 ・ 香ばしい風味や歯ごたえがある 。自然な甘みやうまみを感じられる。 |
白パン(小麦粉) | ・糖質が多く、血糖値が上がりやすい。 ・ふんわりとしてくせがなく、やわらかな食感。 |
全粒粉パンはどっしりと食べ応えがあります。
また、ふわふわのパンに比べてちゃんと食事をしている感があります。
全粒粉を使った食品はどんなものがある?どこで買える?
全粒粉を使った食品の代表的なものがパンですが、その他にはパスタ・うどん・お菓子にも全粒粉を使ったものがあります。
パスタやうどんなどの麺類も、全粒粉100%のものがあります。
いつもの料理で置き換えるだけで、健康的な食事に!
全粒粉のミックス粉で作るなら、お菓子もヘルシーなものが作れますね
上で紹介した商品は全粒粉100%使用ですが、全粒粉を使った食品の中には小麦粉のうちのすべてを全粒粉で作ったものと、一部が全粒粉に置き換えられて作られているものがあります。
使われている粉の比率や、裏に書かれている原材料名をチェックしてみてください。
「全粒粉入り」って書いていても、中にはほんの少ししか使われていないものもありました💦(5%とか!)
食品の原材料は使用量の多い順に表示されています。
「全粒粉〇〇%使用」と表示されていなくても、表示されている順を見てある程度使われている割合を考えることもできます。
全粒粉の食品はどこで買える?
全粒粉や全粒粉食品を購入したいときは、ネットショップ又は、自然食品店や大きめのスーパー・百貨店をチェックしてみると取り扱っていることが多いです。
普通のスーパーやコンビニではまだまだ取り扱いが少ないです
全粒粉パンも市販されていることが少なく、健康意識高めのパン屋さん・今話題の「完全栄養食」ベースフードのパンやパスタ も全粒粉を使用しています。
全粒粉を選ぶときに【これは覚えておきましょう!】
健康に良いとされる全粒粉ですが、覚えておくとよいことを3つあげておきます。
1.ポストハーベスト農薬【残留農薬の可能性】
外国産小麦はポストハーベスト農薬を使用している可能性があります。
ポストハーベスト農薬とは、収穫したあとに使う農薬で、長い運送時間のあいだに小麦がカビたり害虫の発生を防ぐためにつかわれる農薬です。
ポストハーベスト農薬は、通常の畑で使われる農薬よりも、100~数百倍濃い濃度で使われます。
全粒粉は表皮ごと食べるので、より安全なものを食べたい人は国産小麦またはオーガニックの小麦を選ぶのがおすすめです。
2.【保存方法】全粒粉は日持ちが短い
一般的な小麦粉は未開封で6ヵ月~1年程度の保存が可能ですが、全粒粉は1~2ヵ月程度しか日持ちしません。
全粒粉に含まれる小麦の表皮や胚芽は酸化しやすい性質があるためです。
小麦粉より全粒粉のほうが虫がつきやすいのも、それだけ栄養が豊富という証拠です!
特に夏など暑い時期は、全粒粉は冷蔵庫で保存することをおすすめします。
3.摂りすぎないこと
全粒粉は普通の小麦粉に比べて食物繊維を多く含み、お通じを良くするというメリットがあります。
しかし、食物繊維が多いぶん消化には負担がかかります。
もともと腸の動きが低下している人が、全粒粉に含まれる不溶性食物繊維を多く摂りすぎると便秘がひどくなる可能性もあります。
健康のためには、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維をバランスよく食べることが必要です。
水溶性食物繊維は、【 昆布、わかめ、こんにゃく、果物、里いも、大麦、オーツ麦】などに含まれています。
全粒粉のまとめ
全粒粉はこのようにとても健康に良い食品です。
値段も安く、主食なのでさまざまなおかずと組み合わせやすく、コンスタントに摂取できます。
健康的な食生活のために、ぜひ全粒粉を使った食品を取り入れてみてくださいね!